原作『地上絵(ナスカ)の秘密』で、猫娘はねずみ男に「お前、天使として召されなかったんか」と、言われる。
お前は醜女であると突きつけるかような台詞に、まことにアッサリとナスカ猫娘は
「そんなことよりあたしゃこのニオイにひかれるのよ」と言い切って鯛に齧りつくのだ。
原作においてはひたすらに地味な存在で、ファンの間ではそれぞれ別人でないかと言われる猫娘が、寝子やみどりの「私はそれをがまんできない。」という台詞をキチンと引き継いでることに驚かされる。
これは猫娘のアイデンティティを考察する上で非常に重要だと思うのだ。
みどりや寝子の頃…つまり人間だった頃の彼女が、魚と鼠と血を好む醜い化猫娘となり、その欲するところを満たすまでは元の姿に戻れないという呪い(あるいは奇病)は、美しく心優しき少女にとって絶望だったんでないかなと想像する。
その運命を受け入れ誇りとするには、彼女なりに妖怪らしい生活と研鑽の積み上げがあったのではないかと妄想する。
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