2011-06-25

後日談

こちらの続き

お嬢さんが俺のデスクに小さいスノーボールを置いた。
「これ、持ってて。」
透明なプラスティック球の中には雪が降り積もり、外の景色と真逆だ。球の中には小さな洋館が建っている。何処かでみたことある、と思ったら、過日解体された旧軽井沢の家だった。
「随分手の込んだ品物ですね。」
「でしょ?苦労したのよ。あの家を移築するのは。」
「移築?」
「父が家獣を連れて行ってしまってから不便だったの。家獣には及ばないけど、トレーラーハウスなんかより気が利いてるでしょ?」
「家がそのまま入ってるんですか?」
「今そう言ったじゃない?失くさないように管理してね。」

そんな訳で、俺はいつも小さなスノーボールを持ち歩いてる。

0 件のコメント:

コメントを投稿